| phase 1 決断するに至らず
1997年。日本国内のメルセデスベンツ正規ディーラーにおいてSLK 230の販売が開始された年のことである。その当時私が乗っていたシトロエンAX 14TRSの整備を依頼していた福岡マツダ(私のAXはマツダ扱いである)のすぐ近所にあったヤナセ小田部店にぶらりと寄ってみたのだ。 SLKをはじめ、BMW Z3、ポルシェボクスターといったドイツ製のツーシーターオープンが続々と日本デビューを果たしていた頃である。姪浜に住んでいた私は、当然ながら近所のFukuoka BMW西福岡支店にてZ3のチェックも行っていた。私は、いつかは屋根の開く自動車に乗りたいと思っていたし、根が外車好きなこともあり、当時のそういった状況は心踊ると言うに相応しいものだった。 とは言うものの、AXのローンもまだ一年残っていたことだし、まずは偵察である。そんな冷やかし根性丸出しでヤナセの門をくぐった、髪の毛を後ろで束ねた自由業ルックの私に応対してくれたのは、そういった「車好き冷やかし野郎」の連日の攻勢でぐったりしているであろう、上品なお姉さんであった。私はコーヒーをいただきながら、今乗っているAXや、AXの車検のことなどを話したようである。 「納車は二年かかると思ってください」と穏やかに言い放った彼女は、続けて「予約を入れておきますか」と尋ねてきた。二年も待てるほど辛抱強くない私は、正直にそう言ってカタログだけもらって退散したのだった。 |
![]() 1997年のカタログ。四つ折りの8ページもの。ややしょぼい感じは否めないが、イメージ写真が多く、購入欲を高める作用は非常に強かった。 |
|
© 1999 Eiichi Misaka / Meak Digital Graphics. All rights reserved. |
|