SLKと暮らす。
phase 11 とりあえず走ってみる

納車の儀式も無事済んで、おそるおそる走り出そうとする私たちを祝福するかのように、空では雲がどんよりとその厚さを増していた。私は何も考えずに屋根を開け、国道202号線に出てみた。次にこのヤナセに来るのは、15000km走って“スパナマーク”がインパネに出た時だ。ちょっとびっくりしたのだが、メルセデスには一ヶ月点検や1000km点検なんてものは存在しないというのだ。

納車後の予定は全然立てていなかった。すぐに自宅に帰るのも間抜けなので、しばらく走ってみることにする。

すぐ気が付いたのが、その硬さと堅さである。比べる基準は前車のシトロエンAXなので、比べるっていうのも無理があるのは重々承知の上だ。それでも、道路ってこんなにデコボコしてたっけ?と思ってしまった。タイヤの硬さとサスペンションの硬さ、そしてシートの硬さ。それらが相まって、私と妻の首は揺れまくっていた。こりゃー肩が凝ってしまうかもしれんなあ。その一方で、車体のギシギシ感なんてものは全然感じられないのは流石というか何というか、まあ、現代の真っ当な自動車なんだなあという感慨を禁じ得ないものであった。

私は、そろりそろりとアクセルを踏みながら、どこに行こうか考えてみた。まあ、とりあえず妻の実家である小郡市にでも行ってみるか、と。片道だいたい1時間くらいの道のりである。

いつもと同じ県道31号線(人はなぜか5号線と呼ぶ)をテロテロと走って、かささぎロード(私たちはかささぎ道路と呼んでいる)に入る。走り慣れた道ではあるが、荒れた路面がゴワゴワしている感じなんかを強烈に感じつつ、んーやっぱりオープンは気持ちええなあーとにんまりする私たちであった。だけど、良いことばかりではないぞ。西鉄バスやトラック、ダンプなどの近くを走ると、猛烈にうるさいのだよ、これが。ほんとに。市街地は本質的にはオープンで走るのには向いていないことに、初めて気が付いてしまったわけだ。

小郡の母は、何度も何度も「かっこいい〜」と繰り返してくれたので、嬉しかった。


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